この半世紀、私たちは、互いに言葉をかけあわなくても暮らしていける社会をつくってきました。
日常で必要なものやサービスは、買うもの、そして、なにか問題がおこったらそのための専門家やサービスに解決を委ねのがよい、と考えるようになりました。
誰かと一緒に何かを創り出したり、問題を解決したり、そんな場や時間をうまくもてなくなりました。
そして、ふと気づくと、ひとりでがんばって、無理をしていたり……
「迷惑をかけたくない」「責められたくない」「失敗してはいけない」「それは誰のせいか」……と、常に緊張し、身を固くして暮らす人が増えているのではないでしょうか。
そんな時代だからこそ、
「ほっ」と、ひと息つける場、
「くすっ」と、笑いが生まれる場、
「うんうん」と、誰かが応えてくれる場……
そんな〝あそび〟(余白の時間、場所)が、
もう少したくさん、まちに増えてほしい、
と、私たちは考えます。
安心を感じられる時、人は何かをしてみようと思うもの。
ハンズオン(HANDSON)とは、博物館などで、展示物をただ眺めるだけではなく、自身が主人公となって、見て・触って・からだ全体を使って体験し、楽しみながら学ぶというスタイルのことをいいます。
他者によびかけ、対話を通じて、ともにつくる……ハンズオンのまちづくりには、人が動きます。手間も時間もかかります。
でも、その結果として、まちは「私たちのまち」、暮らしは「私たちの暮らし」になっていきます。そこには、ひと声かけあっていける関係が、生まれています。
次の時代の、〝あそび〟のある社会を多くの方々と一緒につくっていきたい。
それが私たちの願いです。
◉3つのテーマ
私たちは、次の3つのテーマで活動しています。
場 | 安心の中で、思わず自分を表現してしまう、遊びと学びの場づくり |
まち | 人と人の営みが自然に重なっていくような暮らし方・まちづくり |
人 | 場やまちを自分たちでつくる人や組織が育っていくこと |
◉3つの視点
私たちは、次の3つの視点をだいじにしながら、場づくり・まちづくりをすすめています。
1 「つぶやきをだいじにする」こと
立場の弱い人、声をだしにくい人の発信が、だいじにされること
2 「一緒につくる」こと
サービスの受け手と出し手というように別れてしまうのではなく お客様さんにならず、みなが場をつくる当事者になっていけること
3 「まざりあう」こと(「まぜこぜ」)
世代、性別、障害の有無、民族……など、一人ひとりの人は違うということを、 豊かさ(うれしいもの、おもしろいもの)として受け止めていけること